地方創生とSDGsの素敵な関係

「地方創生」ということが言われるようになって久しく、最近は農業の六次化やシングルマザーの移住誘致、あるいはサーファーの町でのIT企業の成功や少量多品種の水産物の即時オンライン販売など、実にさまざまな動きが出てきています。一時期に比べて大都市圏以外の経済社会、そして人々の「生き方」が見直されてきているのは確かであると感じます。

SDGsはさらに日本の地方創生を元気にする力を秘めています。地方自治体が取り組む課題というのは、農業にせよ漁業にせよ、社会福祉にせよ教育問題にせよ、本質的にSDGsのほとんどの分野をカバーするものであり、それらは関係するアクターを含めて不可避的に密接に絡み合っています。さらにどんどん人口が減りつつある日本社会の中で、20年後、30年後にどのような町のあり方を目指すのかは、持続的なビジョンを定めた上でそこから逆算して考えていく必要があります。その意味で、SDGsほど地方創生のヒントになる枠組みはないのではないでしょうか。

例えば人口が減っていく中で、普通は「利益率の高い産業に集中しよう」と考えるかもしれません。しかし、SDGs的に考えるならば、「女性の活躍を促進することで人口減を補って余りあるだけの生産性を確保できるし、格差も縮まる」という戦略が出てきます。また、単にコンクリートで治水を行うのではなく、市内の川を徹底的に緑化し、そこをレバレッジ・ポイントとして市民の憩いの場とし、祭りを開催し、インバウンドの観光客を誘致することで、環境・経済・社会のすべての要素を活性化することができます。

現在すでに多くの自治体が、SDGsを採り入れる方策を模索されています。SDGパートナーズの知る限りでも、札幌市、金沢市、横浜市、大津市、北九州市、福岡市、徳島県、北海道八雲町、愛媛県内子町などがSDGsをどう活かすかを検討されていますし、内閣府の地方創生事務局、観光庁などもSDGsについて研究が進んでいます。また、東北の被災地においてもSDGsが生み出す活力に注目されている市町村があります。釜石市、気仙沼市、南三陸町などでいろいろな取組みが始まっていると理解します。

ただ、企業がSDGsを活用する場合と同じく、SDGsについてしっかりと本質的なところまで理解しなければ、単に「17の目標のうちこれとこれについて貢献している」といった「紐付け(マッピング)」に留まってしまい、それ以上の付加価値を生み出すことはできません。SDGパートナーズはこうした努力をされている都道府県、市町村に対して、様々な利害関係者(ステークホルダー)と結びつけることを含めて、戦略支援を行っていきます。