「レバレッジポイント(梃子の力点)理論」と社会課題の相互連関

 

SDGsが提示する二つ目の大きな付加価値、そして多くの人が見過ごしがちなのが、いろいろな目標が相互に結びついている、ということです。17の目標、169のターゲットはバラバラのものではなく、どこか一つを実現しようとすると他の目標が達成しにくくなったり、あるいは二ついっぺんに、ないし三ついっぺんにのほうが実現しやすかったりという、いわば連立方程式のようなものなのです。

そして、SDGsには目標を実現するための「梃子(てこ)の力点」、英語では「レバレッジ・ポイント」というものが存在します。例えば途上国の村全体の状況を良くするためにWFP国連世界食糧計画は1990年代より「学校給食プログラム」を実施してきています。というのは小学校で給食を提供することは、(1)子どもを物理的に学校に連れてくる、(2)子どもが食事をするので飢餓や栄養失調から救済される、(3)学校にいれば勉強するかもしれない、(4)給食の材料は近隣の農家から買うので地域経済が活性化する、というように、一気に様々な状況の改善につながるのです。

レバレッジポイントは例えば都市計画にも存在します。ソウル市を流れる清渓川(チョンゲチョン)の再開発は、(1)環境の劇的改善、(2)地域住民への交流の場の提供、(3)観光客誘致の原動力、というかたちで経済のみならずSDGsが目指す持続的発展の基礎を形作りました。こうして考えればSDGsをビジネスが採り入れる上で、目標間の相互連関とレバレッジ・ポイントの観点ほど大切なものはありません。

SDGパートナーズは、日本におけるレバレッジ・ポイントの一つは目標5のジェンダー平等と女性のエンパワーメントであると考えています。日本経済においてはいまだに国富の半分が眠っている状態です。女性の力を高め男性も変わり、共通の責任を認識しこれを自己実現に活用することで、経済のみならず地方を含めた国全体が活性化すると信じます。